宇宙は両目で見るのが一番

天体観測の醍醐味は、勿論、惑星観測もありますが、素晴らしい空での天の川下りにあります。白鳥座からいて座にかけての天の川、空が暗く、透明度がよければ、すばらしい眺めです。親子三人車を降りての第1声は、「 わ~!! 」 雲の様な、しかし濃淡があり、薄っすらと赤みを帯びた、子供にとっては見たことない雲でした。双眼鏡を手に、白鳥座からいて座にかけての天の川を散歩すると、星の大きさが異なるのに気がつきます。白鳥付近 グラニュ-糖の様な荒い粒の星が視野一杯、双眼鏡を南に向けていて座付近は星が粉の様に輝いてます。ガスかな?と一瞬思いますが、じっくり観測すると無数の星の集まりで、粉の様にみえます。 

M74

イメージ 1

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 露出の上限の設定より、カラ-画像は満足できる物がありませんでした。白黒画像になってます。
かなり淡い星雲です。

M74(NGC628) うお座/銀河(Sc) 
赤経 01h36.7m 赤緯 +15゚47' 
光度 10.2 視直径 8' 距離 2,600万光年 

解 説
 うお座のM74は、Sc型の渦巻銀河で、真上から渦を眺める格好になるため、大望遠鏡による写真では大きく開いた渦巻の様子がきれいにとらえられます。しかし、肉眼では明るい中心核は目立つものの、渦の部分は非常に淡くとても見にくいものです。質量は太陽の400億倍と小さく、銀河系のわずか5分の1程度しかありません。しかし、実直径は約10万光年と銀河系に匹敵する大きさを持っています。絶対等級は-20.6等です。

見つけ方
 おひつじ座のα星とγ星を結んだ線を、γ星方向に同じ長さだけ延ばす、うお座のη星にぶつかります。このη星(3.6等)から、γ星の方向に1゚戻った所に位置しています。η星からは5.2m東、26'北です。ファインダーでは位置すら分かりません。

双眼鏡
 10.2等と暗いので、7×50の双眼鏡では存在を確認するのも難しいでしょう。

10cm
 60倍で注意深く観察すると、中心核の部分が恒星状に光っているのが何とか分かります。渦巻の部分は大変淡いので、空の状態がよほど良くないと、まず見ることはできません。10cmクラスでは非常に難しい対象です。

20cm
 集光力があがる分、淡い渦巻の部分がだいぶ見やすくなります。しかし、渦巻の濃淡が分かるほどではありません。大望遠鏡でとらえられた見事な姿を期待していると、完全に肩透かしを食わされます。

30cm
 ようやく、渦巻部分の濃淡が感じられるようになりますが、やはり写真の姿には及ぶべくもありません。
 

M73

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 改めてメシエカタログを自分なりに整理してみて、メシエの目的である彗星捜索のために作ったカタログであるのが、良く判ります。以下のコメントも厳しいコメントです。

 AstroArtsメシエ天体ガイドより 
M73(NGC6994) みずがめ座/星群 
赤経 20h59.0m 赤緯 -12゚38' 
光度 9.0等 視直径 3' 距離 不明 

解 説
 M73はメシエが1780年10月4~5日に観察し「3~4個の星が一見したところ星雲状に見える」と記しているものです。つまり、単に少数の星が集まったものであり、他のメシエ天体とは大きく性格の異なるもので、海外の解説書などでは欠番としているものさえあります。散開星団に分類されることが多いのですが、とてもそんな感じには見えません。構成する4つの星の個々の明るさは10.5等、10.5等、11.0等、12.0等です。

見つけ方
 やぎ座β星とみずがめ座ν星を結んで3等分した、みずがめ座ν星寄りのポイント辺りに位置していますが、なかなか探しにくいところです。1.5゚西には球状星団M72があります。やぎ座β星(3.1等)からは38.0m東、2゚9'北です。ファインダーではまったく位置すら分かりません。
双眼鏡
かなり暗いので双眼鏡では難しいでしょう。苦労して探すほど価値のあるものとも思えません。

10cm
 小口径でも倍率をかければそれぞれの星が分離できますが、最も暗い12等の恒星を見るのは難しいでしょう。

20cm
 とりあえず4個の星を分解でき、最も暗い12等の恒星も見えるようになりますが、はっきり言ってまったく面白くありません。
    

M72

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 小さな球状星団も頑張ってみましょう。

AstroArtsメシエ天体ガイドより 
 M72(NGC6981) みずがめ座/球状星団(IX) 
赤経 20h53.5m 赤緯 -12゚32' 
光度 9.8等 視直径 5' 距離 62,000光年 
解 説
 みずがめ座にはメシエ天体に属する2つの球状星団があります。M2は大きく明るい立派な球状星団ですが、M72のほうは小さく、しかも暗いので小口径ではあまりおもしろくありません。M72は1780年にドイツのメシヤンによって発見されたもので、球状星団としてはかなりまばらなものです。これよりまばらな球状星団は、メシエ天体の中では、こと座のM56しかありません。実直径は42光年、距離62,000光年と非常に遠いものです。M72の1.5゚東にはM73がありますが、これはメシエが3~4個の星を星雲状に見えると記録したものです。
 
見つけ方
 やぎ座のβ星とみずがめ座のβ星を結んだ線の中間で、少しだけやぎ座β星側によったところに位置しています。みずがめ座ε星からは3.5゚南南東。やぎ座β星(3.1等)からは32.5m東、2゚15'北です。ファインダーでは、位置を見つけるのも難しいでしょう。

双眼鏡
 7×50以上の双眼鏡を三脚に固定するなどして観察すれば、なんとか存在がわかる程度です。

10cm
 60倍では、淡い小さな丸い星雲状に見え、恒星ではないことが分かります。これより口径が小さくても同様のイメージには見えますが、空の条件が悪いところでは存在すら分からないことがあります。倍率を上げても周辺部を恒星に分解できません。

20cm
 このクラスでも星雲状にしか見えません。M69以降の天体は、メシエの使用していた望遠鏡の性能があがった後に発見したものがほとんどですから、暗いものが多く、小口径の望遠鏡では難しいものが多くなります。

30cm
空の条件の良いときに見れば、ようやく周囲が星に分解できるようになります。
  
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