疑 惑 の 星
レンズの中を静かに流れる、無数の星々を眺めながら、極度に精神を集中し、寒さ を忘れようとする。 しかし、思い出したように襲いかかってくる寒さ。寒さと精神の闘争である。 新しい天体も求め、観測を開始してから、既に三十分を経過しようとしていた。 夜露は、望遠鏡の白い鏡筒を流れ始めた。(耐えられるだけ、耐えるのだ。) 私は、心に激しく、むち打ちながら、視野に映る星々を、じっと見つめていた。 やがて、幾十、幾百の微光星の群れが静かに瞬きながら、私の視野をよこぎっ ていった。 (こんな所にも、美しい星団があったのか!) 私は、新しい発見に喜びながら、さらに視野を移行しようとした、次の瞬間、 モウロウと輝く、一異常天体を捉えたのであった。(彗星か?新彗星かも知れぬ!) ・・・・・・・
この本を読んで影響された方も多いと思います。でも都会の真ん中では無理ですね。(^^) 遠征地で、メシエ天体を見て、新彗星か?”ドキ!”とした事が何度もあります。